こどもNISA、あとから証券会社を変えられる?
2027年1月からのこどもNISAに向けて、各社のキャンペーンや銀行との連携サービスが出てきています。特典を比べていると、どこで口座を作るか迷いますね。
ただ、申し込む前に知っておきたいのが、こどもNISAは成人向けNISAのように年単位で金融機関を変更できないことです。たとえばですが、「ひとまずSBI証券で始めて、来年から楽天証券に変えよう」という使い方は今のことろはできないです。
以下は、2026年10月17日に確認した、2027年1月1日施行の改正法に基づく内容です。
金融機関変更は、法律でどう決まっている?
「金融機関変更の手続き」を定めた租税特別措置法第37条の14第19項には対象となる勘定について次の記載があります。
特定累積投資勘定(未成年者特定累積投資勘定を除く。以下第二十一項まで及び第二十五項から第二十八項までにおいて同じ。)
(租税特別措置法第37条の14第19項より対象部分を抜粋。2027年1月1日施行版)
ここに「未成年者特定累積投資勘定を除く」と、はっきり書かれています。この第19項で定めているのは、「金融商品取引業者等変更届出書」を提出して、別の非課税口座に勘定を設ける手続きです。つまり、こどもNISAはこの対象から外れているということです。
また、同条第5項第7号ニも、次のように定めています。
当該勘定(当該特定非課税累積投資契約を締結した居住者又は恒久的施設を有する非居住者がその年一月一日において十八歳未満である年及び出生した日の属する年の各年において設けられるものに限る。)は、第十九項に規定する他の非課税口座に設けられないこと。
(租税特別措置法第37条の14第5項第7号ニより。2027年1月1日施行版)
ここでいう「他の非課税口座」は、第19項の変更手続きで勘定を設けようとする口座を指します。つまり、こどもNISAで通常の金融機関変更ができないのは法律上の制限です。「金融機関のシステム対応が済めば変更できる」ということではないんですね。
最長18年固定客ができ、その後も口座を維持される(そのまま成年NISA口座を開設する)可能性が高いのだから、そりゃ各社が集客に力を入れるわけです。ゼロカンなどはその筆頭ですね。
廃止して開き直す場合は、過去の利益への課税に注意
金融機関変更ができなくても、口座を廃止してから、別の金融機関で新しく開き直すことはできます。財務省の解説にも、次の記載があります。
その非課税口座を廃止した上で、他の金融機関に新たに非課税口座を開設することは可能です
(財務省「令和8年度 税制改正の解説」314ページより注記の本文部分を抜粋)
ただし、これは元の口座を残す通常の金融機関変更とは別の手続きです。払い出し制限のある期間に、例外に該当せず口座を廃止すると、それまでの利益にさかのぼって課税されます。「遡及課税」と呼ばれるもので、売却済みの利益や分配金だけでなく、保有中の商品の含み益も対象になります。
災害等のやむを得ない事情や12歳以降(小学6年生の1月以降)に子供の教育費・生活費へ充てる場合には、条件を満たせば非課税のまま払い出せる例外はあります。ただ、「他社のほうが便利そうだから」という理由だけで、この例外を使えるわけではないです。「いったん全部売って作り直せばいい」とはならないので注意ですね…
大人になったら、金融機関を変更できる?
こどもNISAは、1月1日時点で18歳となる年から、成人向けNISAへ自動的に切り替わります。
成人向けNISAに切り替わった後は、年単位で金融機関を変更できるようになります。ただし、変更できるのは、これから新しく投資する金融機関です。通常の金融機関変更では、購入済みの商品を他社のNISA口座へ移すことはできません。
これは、法律でNISA口座に受け入れられる商品が限定されているためです。つみたて投資枠を管理する「特定累積投資勘定」について、租税特別措置法第37条の14第5項第6号ロは、受け入れる商品を次のように限定しています。
(1)に掲げるもの及び(2)に掲げるもののみを受け入れること。
(租税特別措置法第37条の14第5項第6号ロより該当部分を抜粋。2027年1月1日施行版)
この(1)は、その口座の金融機関を通じて新しく取得する商品です。取得方法と口座への受入れについて、次の条件が書かれています。
当該金融商品取引業者等への買付けの委託により取得をした特定累積投資上場株式等、当該金融商品取引業者等から取得をした特定累積投資上場株式等又は当該金融商品取引業者等が行う特定累積投資上場株式等の募集により取得をした特定累積投資上場株式等のうち、その取得後直ちに当該口座に受け入れられるもの
(同号ロ(1)より該当部分を抜粋。2027年1月1日施行版)
「当該金融商品取引業者等」は、受け入れ先の金融機関を指します。他社で既に持っている商品を移すことはできないということですね。(2)は、投資信託の受益権の分割・併合などによる取得なので通常意識する必要はない個所です。
こどもNISAの口座は、慌てず慎重に選ぼう
口座開設の特典は魅力的ですが、何年も使う口座なので、日々の使い勝手も比べておきたいですね。
「積み立てたい投資信託を取り扱っているか」「親が管理しやすいか」も当然重要ですが、子供本人へ管理を引き継ぐことを想定しておくのもとても大切そうです。キャンペーンの特典だけでなく、子供が大きくなってからも使いやすそうかを比べて、慌てず、慎重に選びのがよさそうです。まあ無難に大手ネット証券等を選んでおけばよい気はしますが…